特集/2003年2月

つぶつぶ感覚が妙に好きです。
着物の柄で言うと、「鹿の子」「水玉」「市松」「青海波」[鱗」、植物では、びっしりと花や実のついたへくそかずら、藤やにせあかしあなど豆科の花、桜の花、のいばらの花・・・・
小さな単位がびっしりと集まったものが好きでよく絵にします。と言うよりつぶつぶが描きたくて着物の女姓を描いているのかもしれません。
緋色にぬった絵絹に、少し黄土や薄紅でにごらせた胡粉(白の日本画絵の具)でひとつぶひとつぶ濃さを変えながら鹿の子の模様をのせていくのはぞくぞくするほど楽しくて一日中でもやっていられる作業です。
細胞増殖感覚?多分なにか性的な嗜好にかかわりがあるかな??と思いながら・・ま、いいか。とそのてのことをあまり追求しない方なので、日々ぶつぶつ言いながらつぶつぶを描き続けています。
世の中には、結構つぶつぶ愛好家がいるはずで、特に絵の世界では同胞と感じる画家が、何人かいます。北野恒富・島成園・橘小夢・・・・そしてカリスマ伊藤若冲。あまりにも理想のビジュアルすぎてしかも大きくて(つぶつぶ愛好画家は、ちんまりマニアックにおちいりやすい?)言葉に尽くせないほど昔から若冲好きだった私は、近年の一般的人気の高まりには、やや複雑な心境ながら原画を見る機会が増えたのを喜んでいます。夢は「動植綵絵」30幅すべてを一度に見ることです。
動植綵絵は、どれもつぶつぶ感にあふれていますが特に好きなのは「薔薇小禽図」。ぞっとするほど美しい!(画像を出せなくてごめんなさい。)
橘小夢は、泉鏡花「高野聖」などの挿絵を画いた画家でデパートの「竹久夢二と大正浪漫の画家達展」で一点だけ出ていた(たぶん)唐人お吉の挿絵の、着物にも帯にも乗り物の籠にもびっしりとつぶつぶ感覚の模様が描かれていて、「あ!私と同じ」と思ったことでした。その後個展に来てくれた方に「小夢さんの絵ですか?」と聞かれた事もありました。高畠華宵にはずいぶん影響を受けていると自覚し人からも似ていると言われますが、小夢のことは、その時までほとんど知らなかったのでたぶん「つぶつぶ愛好画家」の体質そのものが似ているのだと思います。
北野恒富、島成園は、大阪の画家で師弟関係。悪魔派等と呼ばれた初期の画風が、とっても濃くて好きです。(淀君のこわーい絵等)成園は今の私の住まいの割合近所に住んでいたらしくて「少し前に生まれていたら弟子入りできたのに」と残念に思ったことでした。
現実には結構あくせく生きていて、一日中つぶつぶを描いてはいられません。一日ひとつぶでもふたつぶでも描きつづけたいと願っています。


つぶつぶ

市松に桜

うろこ

鹿の子

鹿の子に藤

鹿の子